今から3年前のことです。「キリマンジャロは一般人でも登れる唯一の大陸最高峰である。」「高度順応しながら緩やかな斜面を登るので、比較的負担が少ない。」という言葉を信じ、登山経験はほぼ皆無に近い状態でしたが、加齢によって体力が落ちる前に行ってみようと思い立ち、挑戦してきました。
 あれから3年、ちょっと記憶も薄れてきていますが。撮りためた写真を見返しながら、書いてみようと思います。何かの参考になればうれしいです。

このアングルのキリマンジャロを見ると、楽に登れそうな気がしてくる。

旅行業者を決定

 海外の登山を扱う旅行業者は多くはありません。辺境の旅や登山・トレッキングに特化した大手の業者は数えるほど。それに個人手配の小さなオフィスなどを見比べても、値段から日程まで大差はないと感じます。よくわからないので、とりあえず大手のひとつといえるA社に決定。たまたまツアーの日程が自分の休みと合ったというのも大きな要因です。
 そもそもどの業者さんも利用したことないし、キリマンジャロも行ったことないので、業者選びの基準や視点なんて何もありませんて。ネットではどこの旅行会社についてもそれなりに批判的なコメントがあったりします。でも、「最悪でした。」というコメントを出す人の性格を思うと、最悪だったのはツアーなのか、それともツアーに過大な期待をかけすぎ、客だから一言言えば何でも叶えてくれるというおとぎ話を信じているあなたなのか、なんて思っちゃいます。
 日程に差がないとすれば、添乗員の力量がツアーを左右するものですが、これも基礎知識はまるでありません。いろいろ理由をつけましたが、結局のところ『直感』です。結果的にどうだったのかは、一度しか行ってないので比較対象がないからわかりません。年末年始の10日間でおよそ50万円。うーん、高いなあ・・・。

装備の準備

 山の初心者だった私は、きちんとした装備を持っていません。ネットの情報や旅行業者からの案内をもとに新規購入したものもいろいろとありました。

☆リュック(25リットル モンベル)
☆レインウエア(ゴアテックス モンベル)
○長袖シャツ2枚
○登山用ズボン2本
○登山靴
○帽子(つば付きひとつ、山頂アタック用毛糸ひとつ)
○サングラス
☆ポール(モンベル製)
○ヘッドランプ
☆手袋(冬用防水)
☆防寒下着2組(モンベル製、ひだまり)
☆ダウンジャケット ダウンズボン
☆ナルゲンボトル(750ml 2本)
☆保温水筒(750ml)
○シュラフ
その他、下着類やカメラ、補給食など
(☆は新規購入、○は購入済みのもの)

 リュックは小さいですが、ツアーにはポーターがついて、7キロまで運んでくれるので、別に袋を準備しています。(現地に行ってわかったのですが、ポーターさんは二人分を袋に詰めてひとまとめにして運ぶので、入れ物は布袋で大丈夫です。)

低酸素トレーニングを実施

 キリマンジャロなんて、一生に何度も行くわけもないので、できれば一発で登頂を果たしたいもの。しかも旅行代金は約50万。なんだかんだと+20万くらいはかかるでしょう。総額70万円の登山を成功させるためですから、数万円で準備をしておくことは不可欠です。
 ネットで低酸素トレーニングを検索すると、「ミウラドルフィンズ」が一番しっかりしているようです。
ミウラドルフィンズ HP

 さっそく高所テストというものを予約。料金は1万円+往復の交通費2万。ああ、こんな時は東京在住の人を羨ましく思います。

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低酸素ルーム、こんな部屋が2つありました。

 高所テストでは、心電図とパルスオキシメーターをつけて低酸素ルームに入り、軽い運動をして、休憩し、また軽い運動をし、最後に20分程度の仮眠を行なって終了でした。その間のデータを元に、高所での耐性を評価するわけです。これとは別に、大まかな筋力測定を行い、これらの結果から総合的に「高所登山が可能かどうか」判定するのです。

低酸素室では、20分間の安静(高所のリスクと対応についてのレクチャー付)、20分の運動(踏み台昇降を永遠に続ける)、30分の睡眠で終了。その間の血中酸素濃度と心拍数を記録し、リスク判定をするものです。

高所で大切なことは
 ①激しい動きをしない
 ②水分をしっかり補給する
 ③呼吸法に気をつける
 ④だめならすぐに降りてくる
だそうです。呼吸のやり方ひとつで酸素がぐんと上がるのも体験し、勉強になりました。

こんな評価シートがもらえます。筋力20代なのに呼吸器系68歳。とほほ・・

 結果はまずまずで、キリマンジャロ登山も大丈夫であると評価をいただきました。もちろんここでOKが出たから必ず登れるというものではありませんが、呼吸系が弱い自分としては安心材料になりました。
 その後、ミウラドルフィンには2回訪問し、少しずつ酸素濃度を下げてトレーニングをしました。

 さらに、出発の前日には好日山荘の低酸素ルームにも入っています。

高山病予防薬の準備

 ダイアモックスという薬があります。元々はてんかんや緑内障の薬だそうですが、呼吸を活発にする作用があり、これが高山病に効果があるとのこと。万能薬ではありませんが、多くの人に高山病の初期症状を和らげる効果があります。指先がチリチリするという副作用がありますが、特に心配な症状ではないというので、少しだけ楽しみでもあります。
 さっそく市内でダイアモックスを処方してくれる内科医を探すと、少し離れた町に見つかりました。お医者さんにキリマンジャロ行きを告げ、いくつかの問診と健康チェックを経て、思ったより簡単に処方してもらえました。
 これを、高山病になりそうな日の2日前くらいから服用することになります。最初の山小屋(2700m付近)あたりから飲み始めます。

アメックスゴールドカード、契約しました

 登山とは直接関係ありません。今回利用する航空会社がカタール航空なので、ドーハで乗り換えになります。ドーハ空港でラウンジを活用するために、良い機会ですからプライオリティパスを持つことにしました。
 アメックスゴールドは、プライオリティパスが無料で作れて、しかも年2回までの利用料金が無料になるとか。それから、自宅から成田までの手荷物郵送が往復とも無料になります。アメックスゴールドは年間2万円の費用がかかるので、いつまで持つかは微妙なところ。年3回以上海外に行く人なら、元が取れますが。
(2020年現在、まだ所有していますが、来年大きな海外旅行を計画しており、それを実行したら解約しちゃおうと考えてます。)

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